IMGはElective:学生の臨床実習、Observer-ship:医師の病院見学、という2種類の方法でアメリカの病院で実習を行うことができる。

Elective
アメリカの病院は学生に対しては世界中に臨床実習の門戸を開いている。このElectiveと呼ばれる実習では、実際に患者を自分で診察し、カルテを書き、手洗いをして手術に入ることができる。半年以上前の申し込みが必要だが、有名大学を選ばなければ無料で実習ができる。
このElectiveはアメリカの病院での臨床経験にカウントされる(マッチングでの臨床経験を応募条件にするプログラムも多い)他、推薦状をもらう足がかりにも、実際にアメリカの文化を体験することもできる。
各アメリカの大学のサイトから募集している他、野口医学研究所でも学生向けの1週間のプログラムがある。
私が伝えたいことは、日本の医学部には選択実習であるクリニカルクラークシップ(アドバンスコース)があるが、これは他院やアメリカでの実習で単位を取ることもできるということだ。つまり、1年前から予定を組めば、アメリカでの臨床実習を使って単位取得ができる。これは6年生になってから気づいたが、もっと学生に浸透させるべき事実だと思う。
このElectiveでうまくコネクションができれば、Research Fellowなどのポジションを得ることもできる。
実習のポイントはSTEP2 CS First Aidにも書いてあるが、だれよりも早く病棟にいき、自分で担当患者の問診・診察をし、カルテを朝のうちに書く。そして上級医には自分からプレゼンをして、夕方も一番遅く帰る。これが積極的な態度とみなされるようで、推薦状のことを考えても、是非うまく評価されるよう頑張ってほしい。

Observer-ship
これは卒後の先生向けの病院見学である。Observerは患者に触れることが許されていない。Officialには病院のページから申し込めるらしいが、かなり高額の見学料を取る病院もある。日本人医師の一般的な参加方法としては①野口医学研究所の助成を用いたもの②コネクションによるものである。見学は医学部の単位取得にも関係ないため、知り合いのアメリカ人医師などを通して簡単に見学が決まることがある。私はElectiveには参加できなかったが、知り合いのつてでMGHの見学を1カ月行うことができた。公式には患者に触れることはできないが、医療スタッフや同僚からカルテを見せてもらったり、先生によっては診察もさせてくれるため、プレゼンをすることはできる。なんとかアピールできれば、推薦状をもらうことも可能だ。

カプラン予備校
これはどこに書けばよいかわからなかったのでここについでに書いておく。USMLE浪人をするためのカプラン予備校がアメリカにはいくつかあり、アジア・中東を中心としたIMGが浪人している。CVに空白の1年はできてしまうが、アメリカで英語に触れながらUSMLEで高得点を狙うことはできるので、選択肢の1つとしてはありだと思った。USMLE CSのコースを受験しにいくと、それらの浪人生から話を聞くこともできる。