いよいよマッチングの時期になったので、それについて。

全体像
マッチングの年の流れは下記のようになる。

7月   :登録開始
9月15日:プログラム申し込み
11-1月   :面接
3月   :結果発表
6-7月  :研修開始

9月の申し込みまでに揃えておく書類は、ECFMG certificate, PS/CV, MSPE, Transcript, LoR, Photoだ。
マッチングの年を設定し、そこから逆算してこれらの準備をしておく必要がある。
PS/CVでは、PublicationやUS clinical experienceが求められるし、USMLEのScoreも、もちろん大切だ。

優先度としては
Score、Connection、英語力>>LoR、PS/CV>卒後年数
であると個人的には思う。英語力・Score・Experience・Publication・卒後年数などの総合得点が高くなるように数年前から逆算して計画を立てるべきだ。

私の場合、留学を志したのは医学部6年生あたりだったが、STEP1の勉強もあまりせず、なんとなく留学する人が多い亀田総合病院に行こうくらいにしか思っていなかった。初期研修時代も日常業務を理由にSTEPの勉強もPublicationもせずにいた。海軍病院時代に気合いを入れて勉強し、なんとか全てのSTEPとMPH/奨学金の合格に成功したが、ハードだった。
今振り返ってみても、Scoreを一定以上取得するには時間のある学生時代 or 海軍病院でUSMLEを終わらす以外方法はなかったので、1年のブランクを作りたくない人は必ず学生 or 海軍病院の間に全てのSTEPを取得すべきだ。よっぽど楽な病院で働くことができるならそこでも良いと思うが、その1年は勿体ない。

マッチング書類と私の場合
USMLE=Certificateまで1-2年は必要!学生 or 海軍 or 楽な病院で働きながら
Clinical Experience=3カ月欲しい、海軍病院 or Elective(学生)  (Observerはカウントされない)
Research Experience=大学・初期研修・後期研修・その後・MPH・PhD・Research Assistant
LoR=海軍病院, Elective, Observer, アメリカ人医師から2枚は欲しい
Publication=英語の論文を大学や研修病院で
Connection=N program, 野口, 海軍病院, Observer, Electiveを通して
アメリカ在住=アプライの年にアメリカに住んでいることはInterview旅行が楽+Connectionも広がる

私はこれらの手札を集めていくことを見据えて、計画を立てた。できれば卒後5年以内(6年目以上を足切りするプログラムがあるため)にマッチングに参加したかった。

①学部6年生でスカイプ英会話・亀田総合病院へのマッチ・STEPの勉強少しをし、
②亀田時代はMGHへのObserver+海軍病院の合格を掴んだ。アメリカ人医師の推薦状も2通入手した。
③海軍時代にはUS Clinical Experience 1年を得つつ、推薦状もStrongなものを含めて大量に入手した。
 MPHを受験しつつ、USMLEのSTEP全てに合格した。
④MPHではResearch Experienceを得つつ、マッチングの年にアメリカ在住という条件をクリアできた。
 現在は英語力を磨き、色々な先輩方・アメリカ人医師に助けて頂いている。Publicationは間に合わなかった。

とにかくUSMLEが一番時間と労力のかかるところなので、どこでSTEPを終わらせるかを軸に考えるべきだ。
私は海軍病院の始まる3月に、この1年でSTEPが取れなければ留学が一気に遠のくことに気づき、本気で勉強した。MPHももちろん行きたかったが、気持ちは臨床留学>研究留学だったので、その優劣は明確にさせていた。 
結果、以下のようなカードで勝負できることとなった。

卒後4年・アメリカ在住
STEP1 241, STEP 2 CK 253, CS First Attempt
US Clinical Experience, 1年
Research Experience, Johns HopkinsでのMPH
LoR アメリカ人医師複数枚
PS(アメリカ人医師と何十回と校正してきたもの)
CV(Publicationなしで弱い)
Connection(後述)

Publication以外はできるだけのことをやったとは思うが、こちらの日本人の先輩方と話している限りでは、マッチできるかわからない。マッチングを漠然と考えている人がもしこの文章を見ているなら、逆算して着実にステップを踏むべきだとアドバイスしたい。